GNOMEの提供するMIMEタイプ設定をカスタマイズする方法
序 †
geditなどのGNOMEアプリケーションはGNOME VFSという仕組みを用いてファイルにアクセスすることができる。 GNOME VFSは通常のファイルシステムを拡張したファイル管理の仕組みであり、URIによる統一的なファイルアクセス方式や拡張されたファイル情報などをアプリケーションに提供する。
GNOME VFSが提供するファイル情報の一つにファイルのMIMEタイプがある。 MIMEタイプはファイルの種類を表す文字列であり、アプリケーションはこのMIMEタイプ情報を用いてファイルに対するアクションを変化させることができる。 例えば、geditではMIMEタイプに応じて自動的に適切なテキストハイライティングルールを適用してくれるし、nautilusでファイルをダブルクリックするとそのMIMEタイプに対して登録されたプログラムが立ち上がる。
MIMEタイプのリストはGNOMEが管理するデータベースに格納されている。 たいていのMIMEタイプはデフォルトで揃っているが、 新しいアプリケーションが独自のファイル形式を使う場合、MIMEデータベースをいじる必要が出てくる。 ほとんどの場合、アプリケーションをインストールする時にインストーラが勝手にMIMEデータベースにエントリを追加するが、そうでない場合は自分でMIMEデータベースを更新しなければならない。
手順 †
詳しくは上記参考ページを参照。ここでは手順のみを述べる。
- ユーザーレベルのMIMEタイプ設定は~/.local/share/mimeディレクトリに格納される。
- まず、MIMEデータベース用ソースXMLファイルを作成する。
$ mkdir -p ~/.local/share/mime/packages $ gedit ~/.local/share/mime/packages/Overrides.xml
- Overrides.xmlにMIMEタイプの情報やファイルへの割り当て条件を書き込む。
- Overrides.xmlはその他のMIMEタイプ設定を上書きできる特殊なファイル。
- 書式についてはドキュメントを参照。
- MIMEデータベースを更新する。
$ update-mime-database ~/.local/share/mime
- 変更を確認する。nautilusでファイルを見てみるのもよいが、gnomevfs-infoというコマンドで確認できる。
$ gnomevfs-info <FILE NAME> | grep MIME